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阪神バスと交渉しました。

よくする会では、2010年1月〜3月にかけて阪神バスのバリアフリー調査を行いました。
この調査の結果を基に、9月22日にメインストリーム協会の事務所2階で阪神バス会社の方との交渉を行いました。

      


バリアフリー調査では、手動車いすや電動車いすに乗った障害当事者が実際に阪神バスの各路線を走るバスに乗車し、チェックシートにそってバスのタイプや運転手の対応などを調べました。
1月〜3月という寒い時期でしたが、みんなで合計87回乗車し、それをデータにまとめて、私たち当事者が何を希望しているかを要望書として提出しました。

その要望の主なポイントは以下の通りです。



@ノンステップバスの導入を進めて欲しい。

バスのタイプを乗降口の形状で分けると2ステップバス、1ステップバス、ノンステップバ スの3つに分けられます。
2ステップバスは段差が2段あるため、スロープなどで段差を解消できないため、車いすで 乗降することが出来ません。
1ステップバスは段差が1段あり、スロープで段差を解消できるのですが、スロープが急角 度になるため一人で乗降ができず、その上危険が伴います。
ノンステップバスだと、車いすで介助を使わず安全に乗降しやすくなります。
さらに、高齢者にとっても段差が全くないノンステップバスが乗り降りしやすいです。

国土交通省が平成21年に発表した資料によると、
 ○低床バス(1ステップバスとノンステップバス)の導入率
   阪神バス 54.9%
   全国平均 41.7%

 ○ノンステップバスの導入率
   阪神バス 15.7%
   全国平均 22.7%

ノンステップバスの導入率では全国平均を下回っており、導入率の低さが目立っていました。
このため、私たちはノンステップバスの導入を要望しました。



A運転士が適切な対応をするよう職員研修を行って欲しい。

運転士の中には車いすユーザーがバスに乗ろうとすると、嫌そうな顔をしたり、子ども扱い をする人もいます。
また、車いすの固定方法やスロープの出し方を知らない人もいます。
私たち障害当事者が他の乗客と同じようにバスに快適で安全に乗るためには、ノンステップ バスなどのハード面だけでなく、運転士の対応といったソフト面の改善が必要です。
阪神バスの場合は、多くの運転士は丁寧で親切な対応をしていることがわかりました。
しかし、車いすの固定方法をよく知っている運転士は30%と半数に満たず、スロープの出し方を知らない運転士も10%いました。
また、2ステップバスに乗る際に車いすで乗降ができないことから、乗車拒否する運転手もいました。
このようなことから、スロープや車いすの固定器具の扱い方をはじめとする障害者への対応についての研修をしてもらうよう要望しました。

これに対して阪神バス会社の返答は以下の通りでした。

@に対しての回答

現状は84%が低床バス(ノンステップ+1ステップ)

全保有車両、130台のうち

   ノンステップバス18台

   1ステップバス 91台

   2ステップバス 21台

となっている。

2013年3月までには低床バス(ノンステップ+1ステップ)が100%になる予定。
車両の入れ替えはおおむね年に10台くらい。その内1台はノンステップバスを導入している。あとはワンステップ。
今後も、ワンステップバス中心に導入する。
その理由は二つある。
一つ目としてノンステップバスは、構造上お客さんが乗れる数が違う。ワンステップは後方も床の高さが平行。しかし、ノンステップバスは、後方に2段ステップがあり、後ろにお客さんが移動してもらいにくく、なかなか詰めてもらえない。客が多い路線にはノンステップバスは使いにくい。
二つ目として、ノンステップバスの方が値段的に高額だということ。


Aに対しての回答

○職員研修について
以前、運転手の対応に関する苦情を受けて、全社員を対象に視覚障害者、車いすなど、全ての障害者のバス利用客の疑似体験をした。そのほかは、新入社員が入ったときは、もっと時間をかけて教育するようにしている。

○2ステップバスが来た時の乗車拒否について 
2ステップバスで乗られたいと言うときは、次のバスにという対応になっている。経営的に考えて、常に2名の職員を乗せるのはできない。 
いまの運用上、次にバスのお願いしますという指導になっている。事前に言ってもらえれば低床バスが来るように手配する。



@の回答に対して私たちは、経営側の事情を理解した上で、バスの利用者の視線に立って、誰もが乗りやすいノンステップバスをより多く導入するための工夫をして欲しいと要望しました。
Aの回答に対しては、どのような事情があっても乗車を断ることは乗車拒否にあたり、公共交通機関は乗車拒否してはいけないので、そうした認識を持って欲しいと要望しました。


長期間にわたるバリアフリー調査と交渉でしたが、当事者の声を直接阪神バスの方々に伝えられたのはとてもよい機会でした。
今後もより良い公共交通機関の実現に向けて地道な運動を続けていきたいと思います。